銀行が消費者金融会社について与信審査をする際の手法について述べた本。1970年に米国で発表された論文が1984年に邦訳されたもの。
評価点を2点挙げる。一つには、テクニカルな記述の背後に、著者のバンカーとしての確固たる姿勢が窺われる。二つには、このテーマに対するニーズはそれなりにあるはずだが、このテーマで書かれた本はおそらく他にない。20年近く前に出版された本書が、現在も大書店の店頭に並んでいるのは、以上のような点があるからであろう。
しかし、本書は残念ながら大方の読者のニーズには応えられないだろう。その理由も2点。一つには、米国の消費者金融会社の会計が日本の消費者金融会社の会計と相当異なる。最大の違いは本書で繰り返し述べられる「繰延利益」の有無である。!二つには、何といっても本書は古すぎる。いかに米国が常に日本の先を行っているといっても、現代日本の消費者金融会社のディスクロージャーは、30年前の米国よりもずっと進んでいるので、本書の手法は役に立たなくなってしまっているのである。